二重埋没法に関するよくある質問まとめ
- 俊行 雑賀
- 3月4日
- 読了時間: 4分
-美容外科医の視点から
今回は、私のクリニックで日々患者さんから寄せられる二重埋没法に関する質問をまとめてみました。
インターネット上には様々な情報が溢れていますが、臨床経験に基づいた視点からお伝えできることもあるかと思います。
-二重埋没法の基本的なメカニズム
二重埋没法とは、メスで皮膚を切開せずに特殊な糸を用いて瞼の裏側から数点を固定し、二重のラインを形成する方法です。「埋没」という名前は、糸が皮膚の内部に埋め込まれることに由来しています。
様々な術式がありますが、私自身は患者さんの目の形状や希望する二重幅によって最適な方法を選択しています。時には左右で点数を変えることもあります。特に一重と奥二重が混在している方には、左右のバランスを考慮した施術を行っています。
-痛みと麻酔について
麻酔に関しては局所麻酔と笑気麻酔を併用するのが一般的です。笑気麻酔でリラックスした状態で、局所麻酔を注射します。
注射時の痛みについて患者さんから「どのくらい痛いですか?」とよく質問されますが、これは本当に個人差があります。「蚊に刺された程度」と感じる方もいれば、「かなり痛い」と感じる方もいます。私のクリニックでは細い針を使用し、麻酔液のp Hを調整するなど、痛みを軽減する工夫をしています。
施術中は圧迫感や引っ張られる感覚はありますが、痛みを感じる場合は追加麻酔を行いますので、遠慮なくおっしゃってください。
-ダウンタイムの実際
私が施術した3000例以上の臨床経験から、ダウンタイムの平均的な経過は以下の通りです:
1日目:軽度〜中等度の腫れと内出血(個人差あり)
2〜3日目:腫れのピーク
4〜7日目:腫れが徐々に引いていく
1〜2週間:日常生活への支障はほぼなくなる
ただし、これはあくまで平均的な経過です。中には2週間以上腫れが残る方や、逆に3日程度でほとんど腫れが引く方もいます。特に内出血は個人差が大きく、抗凝固剤を服用している方や、血管が豊富な方は内出血が強く出ることがあります。
-持続期間と脱落メカニズム
二重埋没法の持続期間は、個人差が大きく、一般的には数ヶ月から10年以上持続する場合もあります。 具体的には、3年から10年程度時続することが多いとされています。 しかし、施術方法や個人のまぶたの状態、生活習慣などによって持続期間は大きく異なります。
取れてしまうの主なメカニズムは以下の通りです:
糸による組織の固定が徐々に緩むことによる自然脱落
まぶたのこすりによる物理的な力
アレルギーや炎症反応による拒絶反応(稀)
特に目をこする習慣のある方やアトピー性皮膚炎の方は脱落が早い傾向にあります。また、皮膚の厚い方や脂肪が多い方も相対的に持続期間が短くなることがあります。
私のクリニックでは、1年以内にとれてしまった場合の掛け直しは無料で提供していますが、この点はクリニックによって対応が異なります。
-埋没法に向いている方・向いていない方
埋没法に向いている方:
元々奥二重で、少し幅を広げたい方
まずは切開法を行う前に、埋没法で二重の雰囲気を試してみたい方
埋没法に向いていない方:
まぶたの皮膚が非常に厚い、または脂肪が多い方
眼瞼下垂が強い方(機能的な問題がある場合は保険適用の可能性もあります)
私自身の臨床経験では、約8割の方が埋没法で満足されていますが、残りの2割は最終的に切開法に移行されることが多いです。
-まとめ:インフォームドコンセントの重要性
二重埋没法は比較的低侵襲で手軽な施術ですが、永久的な効果はなく、左右差や早期に取れるなどのリスクもあります。私は患者さんに必ずこれらのリスクを含めた十分な説明を行い、理解した上で施術に臨んでいただくようにしています。
「切らない」「痛くない」「すぐ元に戻る」といった宣伝文句だけで判断せず、ご自身のまぶたの状態と希望する仕上がりをよく相談した上で、最適な施術法を選択されることをお勧めします。
BIANCA CLINIC 雜賀俊行
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